「ベストエフォート型」と「ギャランティ型」
私の人生も、これからの常識となるのは「ベストエフォート型」を採用したいと思います。
シリコンバレーでは常識の「ベストエフォート型」
まず、ベストエフォート型の対極にある「ギャランティ型」について説明します。
テスラ以外のトヨタやGMなどの自動車開発は、「ギャランティ型」と呼ばれる手法を採用しています。
あらゆる状況を最大限想定し、性能テストや品質確認を何度も繰り返し、時間とコストをかけて不良品が出ないように万全を期すというものです。
そのために開発期間は極めて長いのです。
一方、テスラのEV開発は「ベスト・エフォート型」です。
この開発手法がひと言でいえば「まずはやってみて、問題が起きれば修正する」というものです。
ベストエフォート型は、シリコンバレーを中心としたソフトウエアの世界では常識となっています。
例えば、プログラムのバグはあって当たり前。
PCがフリーズしたら、電源を切ってもう一度立ち上げればいい。
テスラのモデルSの開発におけるアルファ版(開発初期の試作品)はたった15台でした。
これで、寒冷地走行テストも衝突試験も済ませて、車内デザインの検討もやってしまう。一方で、トヨタやGMなどギャランティ型の自動車メーカーでは“万全を期す”ために、200台以上は必要だったのです。
とりあえずやってみる。
でも、ダメだったら、原因を解明し、改善する。
ベスト・エフォート型でテスラはこのサイクルを高速で回して、急ピッチで進化しています。