この“捕食者という概念”は、10年ほど前ぐらいだったら、お金や資産に対する捕食者という意味合いで使っていました。
しかし、現在の捕食者は、ほぼ“時間の捕食者”です。
あらゆる娯楽サービスが、私たちの貴重な人生時間を奪ってゆきます。
20世紀の時代では、暇だからレンタルビデオでも借りて見ようかという時代でした。
今では、よほど見たい映画であっても、見る暇すらありません。
ただ単に、生活が忙しいというわけでもありません。
あらゆることが可能になった結果、あらゆることに時間を喰われているのです。
アカウント・パスワードの設定、メールチェック・バージョンアップの更新、システムトラブルなどなどです。
特に、ゲームアプリなどは、中国政府が“電子アヘン”と呼ぶほど、脳内化学物質の依存度を高め、危険なレベルにあります。
子供たちの、人生時間を喰べているのです。
私たちは、労働という仕事において、お金のやりとりをしているわけではなく、人生時間の切り売りをしています。
そして、無料サービスという娯楽も、無意識的に生きる私たちの人生時間を“捕食”しています。